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教育実績

高レベル放射性廃棄物地層処分実験施設見学

日 時:2019年9月3日 13時30分〜16時40分
場 所:幌延深地層研究センター
参加者:柴田研究室(環境ゼミ)
支 援:2019年度 原子力文化財団 地層処分事業の理解に向けた選択型学習支援事業
報告書:深地層処分実験施設見学報告書
    HLW深地層処理施設見学ポスター



  • はじめに
  • 環境・資源・エネルギーリスクマネジメントおよびリスクコミュニケーション学習の一環として、 高レベル放射性廃棄物(以下HLW)処分に関し、幌延深地層研究センターを見学するとともに、 事前学習会や事後討論会を実施した。(詳細版の報告書はこちら


  • 高レベル放射性廃棄物(HLW)・・・処分の必要性と提案されている処分方法
  • 原子力発電により発生

     核燃料中のU235:装荷時3.5~4.5%→交換時1%
     再処理によりU235、Puなどを回収した残りの放射性物質=HLW
     溶融ガラスと混ぜて化学的に安定なガラス固化体に(年間1000本発生)
     天然ウランと同じ放射能レベルになるには数万年を要する
     人間の生活圏から隔離する必要 → 安定した深層地下に埋設

  • 幌延深地層研究センターの見学
  • 2019年9月3日、地下350mの実験施設見学
    所在地:北海道天塩郡
    見学風景1地下350mの坑道で処分技術の説明を聞く


  • 見学後の意見交換
  • 現状:処分場候補地が見つからない
       処分場はNIMBY(Not In My Back Yard)として忌避される

    先行研究の知見:受容には行政への信頼、リスク・便益認知、手続き的公正性、感情、スティグマ、
            道徳・倫理観(世代間倫理)が影響

    意見

    ◎見学内容は、安全確保への努力が感じられるもので、信頼性が高まる。実現性も感じる。

    ▽安全確保への努力が感じられるということはそれだけリスクを抱えたものだという認識も生む。万一の場合に、どのようなことが起きるのかを示したほうが、不安は解消される。

    ▲展示内容は欠如モデル*に基づいている。近年の科学コミュニケーション・リスクコミュニケーションの研究によれば、このようなアプローチアは有効ではなく、各ステイクホルダーの抱える「文脈」がリスク認知にとって大きな影響を持つと考えられている。
     *丁寧に専門的な知識を説明し、それが理解されれば、リスク認知は専門家と同様になり、リスクは受容されるという考え方

    ▲専門家は非専門家の深地層処分のリスク認知を「過大な不安」というが、自分自身の被害に関する不安ではなく、将来世代やその地域の歴史・文化に責任を果たせない不安である。無理な受容は仕方なく押し付けられたという不名誉感に繋がる。誇れるものでなければ、受容は進まないのではないか。

    ◆現状の最高レベル技術が未来永劫最高とは言えない。将来世代による是正の余地を残すことが合理的だという考え方もある。


  • まとめ
  • 安全確保の技術開発を知るために極めて有効なものであった。しかし、処分場立地の受容性を高めるには、技術的安全性だけでは十分ではない。不公平感の解消や倫理的充足感などに対する配慮が必要ではないか。



    本活動は原子力文化財団からの全面的な援助により実施しました。ここにあらためて謝意を表します。